くじらの博物館デジタルミュージアム

クジラは私たちとおなじ哺乳類

海の中で生活しているクジラの仲間も、多くの哺乳類と同じで子どもを赤ちゃんで産み、お母さんのおっぱいで育てます。そして、呼吸もエラではなく、肺でしています。さらに、体の表面には魚のようなうろこはなく、つるつるとした皮ふをしています。クジラの体にみられる哺乳類としての特徴をいくつか確認してみましょう。

哺乳類としての特徴1 おっぱいで赤ちゃんを育てる

クジラのメスのお腹を観察してみると、赤ちゃんが産まれてくる穴をはさむように1対の「みぞ」があるのがわかります。その「みぞ」の中には乳首があり、赤ちゃんは産まれてからしばらくの間、お母さんのおっぱいを飲んで大きくなります。
ハンドウイルカの赤ちゃんがどのようにしておっぱいを飲むのか動画で確認してみましょう。おっぱいの色も確認してみてください。

Kujira junyu

哺乳類としての特徴2 肺で呼吸する

クジラの仲間は海でくらしていますが、空気を吸って酸素を体の中にいれ、空気をはいて二酸化炭素を体の外にだす「呼吸」をしないと生きていけません。クジラの仲間はふつう鼻で呼吸をします。そのため、泳ぎながらでも呼吸しやすいように鼻は頭の上についています。
またクジラの仲間は、取り入れた酸素を血液や筋肉にたくさんためておくことができるので、長い間潜っていることができます。
ハンドウイルカの呼吸の様子を動画で確認してみましょう。

哺乳類としての特徴3 首の骨(頸椎)が7つある

哺乳類の首の骨は基本的に7個です。ヒトも首の長いキリンも体の大きなゾウも7個で、それぞれの骨の長さは異なるものの、同じ数の骨をもちます。哺乳類であるクジラの首の骨も7個です。ただし、クジラは水の中で泳ぐことに適応した結果、水の抵抗を受けにくくするために首の長さが短くなり、さらに多くの種ではいくつかに首の骨がくっついて一つの骨の塊のようになっている種もあります。
ミンククジラの首の骨を数えてみましょう。

Keitsui

似ているのにちがう? 魚とクジラ

水の中で生活する魚の仲間とクジラの仲間をくらべてみると、魚とクジラという遠い関係にあっても、その姿かたちはとてもよく似ています。水の中を速いスピードで泳ぐためには、抵抗の少ない流線型の体をしていなくてはいけないからです。
このように、系統的に遠い関係にある動物が、ある環境での生活になじんでいく過程で見た目や体の機能が結果的に似てしまったことを「収斂(しゅうれん)」といいます。しかし、ヒレのつき方、その位置や数などをよく観察すると、「似ている」ということがうわべだけのものであることがわかります。

魚とクジラの泳ぎ方

魚の泳ぎ方

クジラの泳ぎ方

泳ぎ方の比較