クジラと音の世界
クジラの「声」はどんな音
クジラの仲間には私たちのように口から音を出す「声帯」がありません。その代わりに、鼻の穴の奥にあるひだをふるわせて音を出しています。クジラの仲間が出す音にはいくつかのパターンがあって、大きく①ホイッスル、②クリックス、③バーストパルスの3種類に分けられます。これらの音にどのような意味があるのか、現在も研究が進められています。
ホイッスル
ピュウピュウと笛を吹くようなすんだ音。イルカ同士がコミュニケーションをとるために使う。
クリックス
ギリギリときしむような音。前方に向けて発し、ものにあたってはねかえってくる音を聞くことで、ものの位置や大きさを知る。
バーストパルス
ギャアギャアというにごった音。はげしく体をぶつけあったり、威嚇(いかく)したりするときに出す。
音でものをみる能力
海の中ででは、陸に比べてずっと視界が悪くなります。一方で音は空気の中を通るよりも5倍の速さで伝わります。この音をうまく利用しているのがハクジラの仲間です。
ハクジラの仲間は、鼻の穴の奥にあるひだをふるわせて超音波を出し、はね返ってくる音をきくことによって、岩などの障害物や、魚やイカなどのえものの位置、形を知ることができます。超音波でものの位置などを調べる方法は、「エコロケーション(反響定位)」とよばれています。