マッコウクジラ科/Physeter macrocephalus
最大体長:18m ハクジラ最大の種。噴気孔が頭部の左側先端にあるため、斜め前方にあがる噴気が特徴的。 世界中の海に分布し、おとなのオスは繁殖のため、温かい海域への回遊を行う。
コマッコウ科/Kogia breviceps
最大体長:3.4m オガワコマッコウに比べて体はやや大きく、小さな背びれが体の後方に位置している。 世界中の熱帯から暖帯にかけて分布する。
コマッコウ科/Kogia sima
最大体長:2.7m コマッコウに比べて体が小さく、高い背びれが背の中央近いところに位置している。 世界中の熱帯から暖帯にかけて分布する。
アカボウクジラ科/Berardius bairdii
最大体長:12.8m アカボウクジラ科最大の種。おとなになると雌雄ともに、下あごの先端に平たい大きな歯が2本生える。 北太平洋の冷温帯だけに分布する。
アカボウクジラ科/Berardius arnuxii
最大体長:9.75m 長いくちばしと大きく膨らんだ頭部、小さな三角の背びれが特徴。 南極大陸をぐるりと囲むように南極海に分布する。
アカボウクジラ科/Hyperoodon ampullatus
最大体長:9.8m 大きく張り出し、前面が平らになっているオスの頭部が特徴。 北大西洋の冷温帯と亜北極圏だけに分布する。
アカボウクジラ科/Hyperoodon planifrons
最大体長:7.8m 厚いくちばしと、おとなのオスの張り出した頭部が特徴。おとなのオスの下あごの先端には、やや前向きの2本の歯が生えている。 南半球の南緯29度以南の極を囲む海域に広く分布する。
アカボウクジラ科/Ziphius cavirostris
最大体長:7.5m がっしりした体つきと、寸詰まりの頭部、横から見るとガチョウのくちばしに似た比較的短い くちばしが特徴。多くのアカボウクジラ科に典型的な背びれや胸びれ、喉のV字型の畝などの特徴を有する。 世界中の冷温帯から熱帯の海域に分布する。
アカボウクジラ科/Indopacetus pacificus
最大体長:6.5m 垂直に切り立った明るい色の頭部、長いくちばし、比較的大きな背びれ、腹から側面の前側にかけての部分的な白または灰色の体色が特徴。 メキシコの西海岸からアフリカの東海岸やアデン湾にかけての、熱帯のインド太平洋にだけ分布する。
アカボウクジラ科/Mesoplodon hectori
最大体長:4.4m アカボウクジラ科最小の種。くちばしははっきりしているがそれほど長くはなく、おとなのオスの下あごの先端付近には左右1本ずつ外に突き出た歯が生えている。 南半球だけに分布する。
アカボウクジラ科/Mesoplodon mirus
最大体長:5m 三角形か鎌型をした背びれは小さく、イルカのような頭部が特徴。おとなのオスには下あごの先端にやや外に突き出した歯が1対生える。 北太平洋や南半球(特に南大西洋)に分布する。
アカボウクジラ科/Mesoplodon bidens
最大体長:5.5m 比較的長いくちばしをもち、高い背びれは背の中央よりも後ろにつく。おとなのオスには、小さい三角形の歯が下あごの盛り上がった部分から突き出ている。 北大西洋の固有種で、おもに冷温帯から亜寒帯に分布する。
アカボウクジラ科/Mesoplodon grayi
最大体長:5.6m 小さくて低い頭に、極端に長い真っ白なくちばしが特徴。おとなのオスと一部のメスでは、下あごの中央の左右に1本ずつ小さな歯が生えている。 南半球(おもに南緯30度以南の冷温帯)だけに分布する。
アカボウクジラ科/Mesoplodon bowdoini
最大体長:4.7m 短く厚いくちばし、短い頭部が特徴。おとなのオスはくちばしだけが白く、他は暗色をしており、歯で引っかかれた長い線状の傷があることが多い。 南半球の冷温帯(南緯32度から南緯54度30分の南極周辺海域)だけに分布する。
アカボウクジラ科/Mesoplodon carlhubbsi
最大体長:5.3m おとなのオスの盛り上がった頭部とくちばしは白く、帽子のように見える。また、おとなのオスの下あごにはくちばしの上まで突き出た大きな歯が生える。 北大西洋の冷温帯(おもに北緯33度から54度の海域)だけに分布する。
アカボウクジラ科/Mesoplodon ginkgodens
最大体長:4.9m おとなのオスのイチョウの葉の形に似た歯が特徴。オオギハクジラ属の中で唯一、体が白い線状の傷でおおわれていない種。 おもに西太平洋の温帯に分布するが、洋上ではほとんど識別されないため、くわしいことはわかっていない。
アカボウクジラ科/Mesoplodon stejnegeri
最大体長:5.3m おとなのオスの額の斜面はくちばしとなめらかにつながっていて、下あごからは扇形の歯が突き出ている。くちばしから目の周りにかけては暗色の帽子状の模様がある。 北太平洋とベーリング海の亜北極圏と冷温帯だけに分布する固有種。
アカボウクジラ科/Mesoplodon densirostris
最大体長:4.7m 下あごがアーチ状に盛り上がっており、この特徴はおとなのオスに顕著にみられる。おとなのオスには下あごの隆起した部分の前側から1対の大きな歯が生える。 世界中の熱帯と温帯に分布する。
アカボウクジラ科/Mesoplodon layardii
最大体長:6.2m オウギハクジラ属の最大種。白と黒にわかれた鮮やかな体色と、おとなのオスの下あごに約45度の角度で後ろ向きに生える長い帯状の歯が特徴。 南緯35度から60度の冷温帯の海域だけに分布する。
アカボウクジラ科/Mesoplodon perrini
最大体長:4.4m 頭部は小さく、くちばしは比較的短い。口のラインはまっすぐで、おとなのオスにだけ、下あごの先端付近に横幅の広い歯が1対生える。目から噴気孔の後ろにかけて暗色の筋が走る。 北太平洋東部に分布することだけがわかっている。
アカボウクジラ科/Mesoplodon peruvianus
最大体長:3.7m アカボウクジラ科で最も小さい。おとなのオスの背にみられる上から見ると逆V字形をしている広い帯状の白い模様が特徴。 太平洋でのみ観察されている。
アカボウクジラ科/Tasmacetus shepherdi
最大体長:7m アカボウクジラ科の中ではきわめてめずらしく、上下のあごに歯がびっしりと並んでいる。額との境目がはっきりした長いくちばしが特徴。 南緯30度から55度の冷温帯に広く分布する。
アカボウクジラ科/Mesoplodon europaeus
最大体長:5.2m 他のオオギハクジラ属に比べて頭が小さい。口のラインはまっすぐで、おとなのオスの下あごにはっきり見える1対の歯が特徴。 大西洋だけに分布し、おもに熱帯と温帯の海域にみられる。
マイルカ科/Delphinus delphis
最大体長:2.6m 近縁のハセイルカよりも体が小さく、くちばしは短い上に、体色が濃い。明るい灰色、暗い灰色、黄色が交差した側面の模様が特徴。 大西洋と太平洋の暖熱帯から冷温帯にかけ、外洋と沿岸域の両方に分布する。
マイルカ科/Delphinus capensis
最大体長:2.4m 近縁のマイルカよりも体が大きく、くちばしが長い上に、体色が薄い。明るい灰色、暗い灰色、黄色が交差した側面の模様はマイルカ同様、特徴的。 大西洋、太平洋、インド洋の熱帯および亜熱帯の浅い海域に分布する。
マイルカ科/Tursiops truncatus
最大体長:3.8m もっともよく知られているイルカ。オスはメスより大きな体をしており、太くて短い筒型のくちばしと、盛り上がった頭部との境目にあるはっきりしたしわが特徴。 温帯から熱帯にかけ、水温約10度~32度の海域に分布する。
マイルカ科/Tursiops aduncus
最大体長:2.5m 比較的小型でほっそりした体で、くちばしは近縁のハンドウイルカよりも長い。一部の個体群によっては、おとなになるにつれて腹に暗色の斑紋がみられる。 インド洋と西太平洋の温帯から熱帯に分布する。
マイルカ科/Sousa plumbea
最大体長:2.8m ウスイロイルカ属で最も体が大きい。大きく発達した台状の隆起の上にあるやや鎌型で小さい背びれが特徴。 南アフリカの南西端からミャンマーまでのインド洋沿岸海域で見られる。
マイルカ科/Sousa chinensis
最大体長:3.2m 背中に台状の隆起はなく、底辺が広くはっきりとした三角形の背びれがあるのが特徴。体色はふつう灰色だが、年齢や海域によって大きく異なることがある。 インド東部から中国中部と、東南アジア全域の熱帯から温帯の沿岸に分布する。
マイルカ科/Steno bredanensis
最大体長:2.8m 他のイルカに比べて後方についている長い胸びれと、おとなのオスの側面下部から腹にかけてみられる大きな白いしみが特徴。上下のあごに生えた歯には、縦に隆起した線が走っている。 世界中の熱帯から温帯に分布する。
マイルカ科/Stenella coeruleoalba
最大体長:2.6m 目から肛門、目から胸びれまで伸びる細い筋模様が特徴。がっしりした体つきで、体色はくっきりとした明色と暗色の配色をしている。 世界中の熱帯と温帯の海に広く分布している。
マイルカ科/Stenella attenuata
最大体長:2.6m イルカの中では小型の部類に入る。ほっそりとした体つきに細長いくちばし、年齢とともに増える全身の斑点が特徴。おとなではくちばしの先端が真っ白なことがある。 世界中の熱帯、亜熱帯、温帯に分布する。
マイルカ科/Stenella frontalis
最大体長:2.3m 体色は成長とともに変わる。生まれたときは灰色と白色のツートンカラーだが、年齢とともに腹側には黒色、背側には白色の細かい斑点が全身に広がっていく。 大西洋の熱帯から温帯の海域(メキシコ湾沖を含むが、地中海は含まない)に分布する固有種。
マイルカ科/Stenella longirostris
最大体長:2.4m ほっそりとした体つきの小さなイルカ。体色は、3色柄と全身1色の2タイプがあり、背びれの形も性別や亜種によってかなり異なる。目から胸びれにかけて伸びる暗色の筋が特徴。 両半球の熱帯および亜熱帯海域にいる。北限は北緯40度、南限は南緯40度である。
マイルカ科/Stenella clymene
最大体長:2m 一般的に背は灰色、側面は明るい灰色、腹は白色で、くちばしの先端が黒く、「口ひげ」のように見えることが特徴。 大西洋の熱帯と亜熱帯の水深の深い海域でのみ発見されている。
マイルカ科/Lagenodelphis hosei
最大体長:2.7m おとなのオスには、顔から肛門にかけて黒い帯がみられるのが特徴。下あごの中央から胸びれの前にかけては、暗色の筋が走っている。背中は暗色から茶色がかった灰色で、腹は白くときにピンク色にみえることがある。 おもに熱帯の外洋に分布しているが、水深の深い沿岸で観察されることもある。
マイルカ科/Lissodelphis borealis
最大体長:3.1m 背びれがなく、体つきは後ろにいくほど細くなっている。胸びれや尾びれも小さく、うなぎのような体が特徴。体色は全体的に黒いが、腹に白い帯があり、下あごの先端にも白い模様がある。 北太平洋の温帯、北緯30-55度までの海域に分布している。
マイルカ科/Lissodelphis peronii
最大体長:3m 背びれがなく細長い体つきをしている。体色は白と黒の鮮やかなコントラストで、胸びれや腹の側面は白く、背は顔と喉を除き、黒い。短いくちばしと、比較的平らな額部、まっすぐな口のラインが特徴。 南極周辺の亜南極および冷温帯の海域(南緯40~55度)に分布している。
マイルカ科/Lagenorhynchus obliquidens
最大体長:2.5m 近縁であるハラジロカマイルカより大きな体をしている。大きく、2色に分かれた鎌型の背びれと、体の側面にある「サスペンダー」のような明るい灰色の筋が特徴。 北太平洋の冷温帯(カリフォルニアからベーリング海、そして台湾北方の沖合まで)に分布する。
マイルカ科/Lagenorhynchus acutus
最大体長:2.8m 比較的がっしりとした体つき。複雑で鮮やかな体色をしており、背、背びれ、胸びれ、尾びれは灰色、腹と下あごは白色をしている。脇腹の白い筋から尾にかけて伸びる黄色い模様が特徴。 冷温帯から北極圏付近でよく見られる。浅い沿岸や北大西洋の中央で見られることもある。
マイルカ科/Lagenorhynchus albirostris
最大体長:3.2m がっしりとした体つきをしており、オスはメスよりやや大きい。黒い体に灰色と白の模様があり、白または白っぽい短いくちばしが特徴。 北大西洋の温帯と亜熱帯のおもに大陸棚の海域に分布している。
マイルカ科/Lagenorhynchus obscurus
最大体長:2.1m 近縁であるカマイルカに比べてくちばしは細く、長い。噴気孔からくちばしにかけての頭部の斜めの模様と、尾から背びれの下まで伸びる白い模様が特徴。 南半球の冷温帯に広く分布しているほか、ニュージーランドやアフリカ南部などに点在している。
マイルカ科/Lagenorhynchus australis
最大体長:2.16m 体色が複雑で、個体ごとに違う。一般的に顔は暗色、喉の下や体の側面は白色をしている。胸鰭の付け根の白い模様が特徴。口には、小さなタコをつぶさず食べるための幅の広い歯茎が並ぶ。 南アメリカの両岸で見られ、南西では海峡の水深の深い海域に、南東では浅い海域に分布している。
マイルカ科/Lagenorhynchus cruciger
最大体長:1.83m がっしりとした体つきをしている。体色はおもに黒か暗色で、側面に2か所ある楕円形の白い部分が細い白い線でつながって砂時計のような模様をしているのが特徴。 南極周囲の南緯40~67度の水域に分布しており、島や岸近くの水域でも発見例がある。
マイルカ科/Sotalia fluviatilis
最大体長:2.1m 体は小さく、流線型をしていて硬い。体色は背側が灰色で、腹側が白やピンク色をしている。三角形で背中の中央についている背びれが特徴。 淡水だけに分布し、おもにブラジル・コロンビア・ペルーなどを流れるアマゾン川で見られる。
マイルカ科/Cephalorhynchus commersonii
最大体長:1.75m 小型のイルカで、頭部や背びれ、胸びれは丸みを帯びている。白と黒にはっきりと色分けされた体色が特徴。生まれたての子どもの体は灰色をしているが、生後6か月ほどでおとなと同じ色に変わる。 2つの亜種が存在し、南アメリカの亜種はアルゼンチン沿岸の海域、ケルゲレン諸島の亜種はケルゲレン諸島沿岸の海域に分布している。
マイルカ科/Cephalorhynchus hectori
最大体長:1.5m 最小のイルカ。体色は明るい灰色で、胸びれ、背びれ、尾びれは黒色。噴気孔の上に暗色の三日月模様がある。丸く大きな背びれが特徴。 ニュージーランドの固有種で、北東の亜種は北東中央部の西海岸にだけ分布している。
マイルカ科/Cephalorhynchus heavisidii
最大体長:1.7m イロワケイルカ属で唯一、丸みを帯びた背びれを持たない種。体色は白黒の三段階の明暗からなる。背は黒に近い暗色、頭と胸は灰色、そして腹には複雑な白い模様がある。 南西アフリカ沿岸の南緯17度付近に分布しており、水深100mより浅い海域で見られる。
マイルカ科/Cephalorhynchus eutropia
最大体長:1.7m イロワケイルカ属の典型的な特徴である、小さい体、丸みを帯びた頭部と胸びれを備えている。体色は暗い灰色で、胸びれ・尾びれ・背びれは黒い。 チリのバルパライソからケープ岬にかけての沿岸とフィヨルドに分布している。
マイルカ科/Grampus griseus
最大体長:3.8m がっしりとした体つきで、背びれは高く鎌型で、背中の中央にある。体色は暗い灰色をしており、体全体にひっかき傷や歯形などが白く残るのが特徴。張り出した頭部には縦じわがある。 南北両半球の熱帯から温帯にかけての海域に分布している。
マイルカ科/Orcinus orca
最大体長:9.8m 白と黒のくっきりとした体色が特徴。目の周りには白い模様が、背中には灰色の鞍型の模様がある。背びれはとても大きく、オスのものはメスのものより大きい。 世界中の沿岸と沖合に分布する。
マイルカ科/Globicephala melas
最大体長:6.7m マイルカ科で最大の種で、オスはメスより体が長い。頭部は前に張り出していて、大きい。体長のおよそ5分の1もある長い胸びれが特徴。 冷温帯から亜極圏に分布する。通常、水深の深い外洋でみられるが、沿岸に姿をあらわすこともある。
マイルカ科/Globicephala macrorhyncus
最大体長:6.1m 大きくてがっしりとした体つきと、大きく張り出した丸みを帯びた頭部が特徴。背びれは鎌型で低く、先端が丸まっている。 世界中の熱帯から暖温帯に分布しており、日本では二つのコビレゴンドウの地方型がいる。
マイルカ科/Pseudorca crassidens
最大体長:6m 細長く、すらりとした体形。体色は全身黒色で、頭部は先細りで額がせり出している。胸びれはS字の形をしていて、肘のような特徴的な出っ張りがみられる。 世界中の熱帯から温帯の水深が深い外洋に分布しているが、洋上の島の沿岸で見られることもある。
マイルカ科/Feresa attenuata
最大体長:2.6m 体長や体色が似ているカズハゴンドウとよくまちがわれるが、ユメゴンドウのほうが額の丸みが強く、胸びれの先端も丸まっている。おとなのくちびるは白く、下あごの先も白いことが多い。 熱帯と亜熱帯の水深の深い外洋に分布している。
マイルカ科/Peponocephala electra
最大体長:2.75m ユメゴンドウとよくまちがわれやすい。体色は暗い灰色で、腹側は背側よりも淡い色をしている。頭部はやや張り出していて、はっきりとしたくちばしはみられない。くちびるの周りの白い部分は、年齢に伴って目立ってくる。背びれの下で大きく垂れ下がっている背中の模様が特徴。 熱帯と亜熱帯の水深の深い外洋で分布しており、ハワイやポリネシアなどの沿岸でも見られる。
マイルカ科/Orcaella brevirostris
最大体長:2.8m 少しがっしりとした体形で、頭部が張り出している。柔軟に動く首には、わずかなしわがみられる。 背びれはやや鎌型をした三角形で、小さく先端が丸まっているのが特徴。 東南アジアや南アジアの沿岸域に分布している。また、3つの大河と2つの汽水域でも見られる。
マイルカ科/Orcaella heinsohni
最大体長:2.7m 頭部が丸みを帯び、くちばしが尖っていないのが特徴。体色は背側が暗い茶色、側面が明るい灰色、腹側が白色をしている。櫂のような形の胸びれは広く、自由に動かすことができる。 おもに北オーストラリアの浅い沿岸域や河口域に分布している。
イッカク科/Delphinapterus leucas
最大体長:5.5m 背びれはなく、背中に細い稜線があるのが特徴。頭部は小さく、額が突き出ていて、へら状の小さな胸びれと幅の広い尾びれをもつ。生まれたときの体色は暗い灰色で、年齢に伴って真っ白に変わる。 北極海とその周辺に分布している。
イッカク科/Monodon monocerus
最大体長:4.7m 生まれたときの体色は茶色がかった灰色で、おとなになると背側が斑点におおわれた黒色で腹側が白色になる。オスの左の歯はらせん状に長く伸び、上唇から突き出して最長3mに達することもある。 北極の大西洋側、北緯60度より北に分布している。
ネズミイルカ科/Phocoena phocoena
最大体長:2m ずんぐりとした短い体で、はっきりとしたくちばしはみられない。背側と尾びれは暗い灰色か黒色で、腹側は灰色から白色をしている。目の周りの暗色の模様と口から胸びれにかけて走る暗色筋模様が特徴。 北大西洋と北太平洋の温帯域から北極圏に分布している。
ネズミイルカ科/Neophocaena phocaenoides
最大体長:1.9m 比較的ほっそりしていて、柔軟な体をしている。背びれとくちばしがなく、丸くふくらんだ頭が特徴。 中国東海岸、朝鮮半島、日本の沿岸域に分布している。中国の揚子江にも個体群がいる。
ネズミイルカ科/Phocoenoides dalli
最大体長:2.4m ずんぐりとした体つきで、頭は小さい。側面と腹の後ろ側は白いのが特徴で、この白い部分が狭いイシイルカ型と、広いリクゼンイルカ型の二つのタイプに分けることができる。背びれと尾びれは年齢に伴って白くなる。 北太平洋の温帯から北極圏の海域に分布している。
ネズミイルカ科/Phocoena dioptrica
最大体長:2.3m 頭部は小さくて丸く、くちばしはない。目の周りのメガネのような模様が特徴。体色は、背の脇腹の上側が黒く、腹と脇腹の下側が白くなっている。オスの背びれは大きく、丸みを帯びている。 南極大陸の周辺、南極圏や亜南極圏から温帯の海域に分布している。
ネズミイルカ科/Phocoena spinipinnis
最大体長:2m ずんぐりとした体つきで、小さくて丸い頭部にはくちばしはない。体色はほぼ全身黒っぽい色をしていて、背びれは低く体のかなり後方にある。目の周りの暗色の模様と目と胸びれを結ぶ暗色の筋模様が特徴。 南アメリカの両沿岸で見られ、太平洋岸の分布域はペルー海流の影響で北に長く伸びている。
ネズミイルカ科/Phocoena sinus
最大体長:1.5m 背びれは体の大きさのわりに高く、胸びれも他のネズミイルカ科に比べて大きい。目と口の周りの黒い模様が特徴。体色は、背側が暗い灰色、側面が明るい灰色で、腹側は白い。 北カリフォルニア湾のおもに水深30m以下の浅い海域に分布している。
ネズミイルカ科/Platanista gangetica
最大体長:2.6m がっしりとした体つきで、しわのある首は柔軟に曲がる。体色は全体的に暗い茶色で、針の穴のように小さい目は上に曲がった口角のすぐ上についている。細長いくちばしや幅の広い胸びれなどが特徴。 ネパール、インド、バングラディッシュを流れるガンジス川、ブラマプトラ川、メグナ川、カルナプリ川、サング川の浅い淡水域に分布している。
ラプラタカワイルカ科/Pontoporia blainvillei
最大体長:1.77m 茶色の体は小さく、長くて細いくちばしや幅の広い胸びれ、先が丸い小さな背びれなどカワイルカの特徴をもつ。胸びれの骨が浮き出し、「指」のようにみえる隆起があるのが特徴。 南大西洋(ブラジル南東部からアルゼンチン北部)の沿岸や河口域に分布している。
アマゾンカワイルカ科/Inia geoffrensis
最大体長:2.8m おとなになるとピンク色になる体色が特徴。長いくちばしは細身でがっしりしており、背びれは低くて長い。 アマゾン川とオリノコ川流域の淡水に分布している。
ヨウスコウカワイルカ科/Lipotes vexillifer
最大体長:2.6m やや上に反っている細長いくちばしと小さい目が特徴。1980年代以降、生息環境の悪化により個体数が激減し、2007年に事実上の絶滅が宣言された。 揚子江の中流から下流にかけて分布していた。