オスとメスのみわけかた
クジラの仲間はふだん、生殖器や乳首をお腹側にある「みぞ」の中にしまっているので、ほとんどの種類で外から見ただけではオスとメスの区別がつきません。
クジラの仲間の性別を調べる方法のひとつは、へその下の生殖器のある「みぞ」の形をみることです。オスは生殖器がしまってある「みぞ」と肛門が離れてたてに並んでいて、メスは生殖器がしまってある「みぞ」と肛門がひとつにつながり、その両側に乳首がかくれている短い「みぞ」があります。
しかし、一部のクジラにはオスにも乳首の「みぞ」があるものもいて、判別が難しくなっています。
どっちがオス?どっちがメス?
ハンドウイルカ編
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右側がオス、左側がメスです。
オスは、おへそのしたに長いみぞと肛門が並んでいて「!」マークのようにみえます。
メスは、長いみぞの左右に短いみぞがあって、漢字の「小」の字のようにみえます。
シャチ編
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上側がオス、下側がメスです。
シャチの背びれは、オスでは成長すると高さ2メートルほどにのびます。メスは鎌型をしているので、オスとメスを見分けるのは比較的簡単です。一般に、ハクジラの仲間はオスの方が大きな体をしています。
ザトウクジラ編
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右側がオス、左側がメスです。一般に、ヒゲクジラの仲間は哺乳類ではめずらしく、メスの方が大きな体をしています。
ザトウクジラのオスは「ソング」とよばれる音をだし、メスに求愛をするといわれています。
イッカク編
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下側がオス、上側がメスです。角のように突きだしているのは、実は上あごからのびる左の歯です。
イッカクのオスの歯は、上くちびるを突きぬけて成長し、3mほどの牙になります。
イッカクは上のあごだけに2本の歯をもちますが、長く伸びるのはオスだけで、メスは2本とも上あごの骨の中に埋もれています。
まれに、牙のあるメスや牙を2本もつオスもみつけることができます。
イチョウハクジラ編
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下側がオス、上側がメスです。イチョウハクジラを含むオウギハクジラの仲間の歯は、下あごの左右に一対のみで、おとなのオスでしか生え出ません。メスの歯は成長するにつれて大きくなるものの、おとなになっても歯肉におおわれたままなので、歯があることは外からみてもわかりません。